不思議を科学する

不思議を科学する

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

虫はなぜ電灯の周りをくるくる回るのか

夜、郊外の電灯の周り虫がくるくる回っているのを見かけます。電灯の下には光源に当たって落ちたと思われる虫がたくさんいます。あまり知られていないことですが、夏の夜に山間部の街灯の下を探すのがカブトムシを手っ取り早く捕る方法の一つです。 動物が光…

なぜどんなに澄んだ海でも視界は数十メートルしかないのか

空気中では大気が澄んでいれば100キロメートル離れた場所からでも富士山を見ることができます。水滴などで大気が混濁してくると視界は短くなります。視界が1キロメートルより短いもの霧、1キロメートルより長いものを靄(もや)と呼んでします。霧が濃いとき…

皮膚は光を感じ、色を感じる

ひとの感覚器官で光を感じとり、色を見ることができるのは視覚である目です。それ以外の感覚器官は光や色を感じとることができないと思われています。 ひとの目には見えない赤外線が皮膚に当たると暖かく感じますが、これは皮膚が赤外線を感じ取っているとい…

光を使ってだますホタル

発光する生物と言ってまず思いつくのがホタルです。普段それ以外で発光する生物を見かけることはほとんどありません。しかし、地球上に光を発する生物は数万種もいると言われています。特に深海に住む動物の多くが自ら光を出す発光動物なのです。 チョウチン…

地平線近くの月は大きく見える

月と太陽はほぼ同じ大きさに見えます。実際は太陽の方が月より400倍大きいのですが、地球からの距離が、太陽が月に比べて400倍遠いのでほぼ同じ大きさに見えます。これはまったくの偶然と考えられますが、何か不思議な気がします。 では、月や太陽の見かけの…

緑色の葉をなぜ青葉と呼ぶのか

アマゾン川の支流、熱帯雨林の奥深くに住む先住民が話す言葉や南の孤島に住む少数民族が話す言語には、色を表わす言葉が二つしかないそうです。それは白と黒です。それ以外に色は白か黒のどちらかに含まれます。他の色を区別しなくても生活をしていく上で困…

紫外線で虫を呼び寄せる花

花は昆虫に受粉を手伝ってもらうために、よく目立つ赤、黄、白などの色をしています。緑の葉の中でこれらの色の花が咲いていると遠くからでもすぐに見つけることができます。さらに花は受粉を確実にできるように、人の目に見える可視光だけでなく、紫外線も…

縦書きより横書きの方が読みやすい?

漢字が中国から伝わったときに縦書きであったので、日本では長い間縦書きが用いられてきました。 欧米の言語やアラビア語などほとんどの外国語は横書きで書かれています。そのような文章は決して縦書きで書かれることはありません。中国でも今ではもっぱら横…

冬より夏のバターの方が黄色い

牛乳にはカゼインと呼ばれるたんぱく質と脂肪球が液体中に溶けずに分散しています。カゼインの大きさは約0.0002ミリメートル、脂肪球は約0.002ミリメートルと両方ともとても小さな粒です。これらの粒に光が当たると乱反射し、牛乳は白く見えます。 雲や霧は…

早春に光を独り占めするカタクリ

「木の下闇」は木が茂って木陰の暗いことを言います。夏の季語です。夏になり、木の葉が茂ってくると木の根元は暗くなり、他の植物は育つことができません。そんな木の根本でも、その木が落葉樹なら冬から春先にかけては木が葉を落としているので、日の光が…

紙に印刷された文字がパソコン画面の文字より読みやすい?

今まで紙で配られていた会議の配付資料の多くが、最近では電子データで送られてきます。それをパソコンの画面で見ながら会議に参加します。手紙やはがきを出したりもらったりすることも以前よりずいぶん少なくなりました。それらに代わり電子メールやライン…

赤く青く光る星はあるけれど緑色に光る星はなぜないのか

地球から観測できる星には2種類あり、太陽の光を反射して光っている星と、自ら光をはなっている星です。 太陽の光を反射して光っている星は、太陽の周りを回っている惑星や彗星、それから惑星の周りを回っている衛星です。これらの星の色は、表面の物質によ…

鳥は「鳥目」ではない

鳥目は夜盲症とも呼ばれ、夜になると極端に視力が落ちてほとんど見えなくなる病気です。健康な人でも明るい所から暗い所に移るとしばらくの間見えにくくなりますが、時間がたつと徐々に見えるようになります。これを暗順応と言います。鳥目だと時間がたって…

ヒマワリは太陽の方を向く、向かない?

ヒマワリは黄色い大きな花が特徴的です。夏の季語になっていますが、まさに夏を代表するような花です。 ヒマワリは外側に大きな花びらがあるので一つの花のように見えますが、大きな花びらの内側にはたくさん並んだ小さな筒状の花(筒状花)(とうじょうか)…

本を左右に振ると文字が読めないけれど、頭を左右に振ったときは文字が読めるのはなぜ

本を開いてゆっくり左右に振ってみてください。書かれている文字を読むことができるはずです。そして振る速度をだんだんと速めると、ある速さから文字が読めなくなってきます。 今度は本を固定しておいて頭をゆっくり左右に振ってみてください。文字が読めま…

脇汗をかくと黒っぽく見えるのはなぜ

汗などで着ている衣服が湿るとその部分の色が濃く見えます。夏の暑い日のテレビのロケ番組で、明るい色のシャツを着ていた女性出演者の脇の下が汗で暗く見えていました。脇汗をかいていることをほかの男性の出演者から指摘され、恥ずかしそうにしていました…

肉眼で血液の細胞が見える

最初に細胞を観察したとされているのは、17世紀のイギリスの科学者であるロバート・フックです。発明されて間もない顕微鏡を使って薄く切ったコルクを観察し、小さな部屋がたくさんあることを見つけて、これを細胞と名付けました。 フックが自ら作り使ってい…

灯台のひかり方はそれぞれ違う

海岸線をドライブしていて岬の小高いところに白い灯台を見つけると、立ち寄ってみたくなります。そこは広い海を遠くまで見渡すことができる眺めのいい場所と決まっているからです。そうでなければ灯台の役目を果たすことができないわけです。 灯台は夜には点…

点滅すると時間がゆっくり経過する

入試の監督をすることがありますが、残り時間が10分になると受験生に合図をすることになっています。その合図をしてから終了までの10分間はとても長く感じられます。しかし、まだ解答が終わっていな受験生にとっては、おそらくその10分間がアッという間に過…

教会のステンドグラスが色褪せないのはなぜ

ヨーロッパの古い教会に窓の装飾としてよくステンドグラスが使われています。たくさんの色ガラスを組み合わせて作られた絵や模様が、外からの光を透過して美しく見えます。 世界遺産になっているスペインの教会サクラダ・ファミリアのステンドグラスは有名で…

電気がなくても時計の文字盤が光るのはなぜ

夜中に目が覚めたとき、今何時かなと枕もとの時計を見ると、真っ暗な中でも時計は時刻を教えてくれます。文字盤と針がうっすらと光っているからです。 この時計の文字盤や針には蓄光塗料(夜光塗料)が塗られています。暗闇の中で淡く光っているのが燐光(蓄…

視線が会話をスムーズに

人の眼で視力がいいのは視線方向のごく一部です。視線方向から10度離れた場所の視力はおよそ1/10に低下します。すなわち視線から10度離れたところは視力0.1から0.2で見ていることになります。したがって、人は何か作業をしている時、周囲の状況を知るために…

紅茶にレモンを入れると色が変わるのはなぜ

ストレート、ミルク、レモン。紅茶はどのようにして飲むのが好きですか。紅茶本来の味が楽しめるということでストレートを好む人も多いようですが、レモンもそれなりに人気があります。 熱い紅茶に輪切りのレモンを浮かべると、紅茶の色が薄くなっていきます…

パラボラアンテナで光を集めるフクジュソウ

フクジュソウの話をする前に放物面鏡について説明しましょう。フクジュソウのユニークな特性は放物面鏡の性質を利用しているからです。 物を投げたときに描く軌跡が放物線です。軸を中心にして放物線を回転してできる面を放物面と言います。テレビの衛星放送…

スポーツ選手の引退の原因は動体視力の衰え?

赤ちゃんは成長とともに徐々にいろいろな能力を獲得していきますが、それとは反対に高齢になると歳とともに体力や能力が衰えていきます。私が歳をとったと最初に自覚したものが二つあります。一つが記憶力の低下で、人の名前が出てこなくなったこと。もう一…