不思議を科学する

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なぜか国旗には赤色が最も多く使われている

 国旗は、国家間の戦争において自分の国の軍隊であることを示すために使われた旗がもととなっていると言われています。それぞれの国旗には、その国の歴史、文化、建国の理想などが表されています。

 現在使われている国旗はどこの国のものも比較的新しく、最も古いのが1536年から使われているデンマークのものです。赤地に白の十字がデザインされていて、スイスと似ています。19世紀より前に制定されて今も使われている国旗は、デンマークのほかでは、オランダ、イギリス、アメリカだけで、合わせてわずか4つしかありません。

 国旗には鮮やかな原色が多く使われています。最も多いのは赤色です。赤色は遠くからでも目立つ色ですし、気持ちを鼓舞する働きがあり、戦いのときの旗としてはふさわしいのかもしれません。赤はスポーツのユニフォームの色としても用いられますが、勝率をアップする効果があるとするデータもあります。その次に多く用いられているのが青、緑、白で、それらはほぼ同じぐらいの割合です。意外なことに黄色はそれらの色よりも少なくなっています。

 不思議なのが、基本色名の一つでもある紫を使っている国がほとんどないということです。一説によると昔紫の染料が高価だったからと言われています。しかし、紫の染料が安価に手に入るようになった近年に建国された国も紫を使っていません。

 一つの国旗に使われる色の数は、最も多いのが3色で、つぎに4色、2色の順となっています。ユニオンジャックとして有名なイギリスの国旗は、赤、青、白の3色で構成されています。そのほかアメリカ、ロシア、フランスなど多くの国で赤、青、白の3色が使われています。日本と同じ赤と白の2色を使っているのは十数か国で、カナダやスイスなどです。

 使われている色にはそれぞれ意味があります。トリコロールという名でも知られているフランスの国旗は、「青は自由、白は平等、赤は友愛を表す」と言われています。色が表す意味は使う国によって異なっており、例えば赤は「血」や「勇敢」、白は「平和」や「純粋」などです。

 デザインとして多いのが、縦線または横線で3つに区切られたものです。イタリアやルーマニアが縦線で、ドイツやロシアは横線で区切られています。そのほかのデザインも比較的シンプルなものが多く、わかりやすさや目立ちやすさが重視される傾向にあります。そのためか複雑なものはあまり好まれないようです。

 

参考文献

shttp://flagstories.co/(2022.11.26)